

- | | - | -
2006.08.16 Wednesday by 物不勃陰虚酣楽
バブルの崩壊後、リストラが進み、中高年を含めた自殺者が年間三万人という今の日本社会。それに比べると、江戸の町は何とか食い詰めても生きていけたようで、「人別帳」から外された者(=無宿人)に職を斡旋する「口入屋」が流行ったようだ。 宿なしの行倒れ、色々にして見ても立つて行かぬ。 大屋衆立合ひ、かれこれいふ内、ふところを見たれば、 行倒れ覚帳といふ書付。 引き出して見たれば、 「何丁(=町)そば五ツ、何丁飯三ぜん、何丁灸ばかり」 あちこちの町内でどんな扱いを受けたかをメモるところが面白いが、このような「宿なし」は江戸のような巨大都市では何とか食えるので、疲弊した農村からの流入も多かったようだ。最後は乞食となるが、江戸には十六人の乞食の親分がいて、お貰いの場所(縄張り)があったという。左の絵は口入屋(『三都寄合噺』)の絵だが、武家の参勤交代の際の道中奴を斡旋する所もあった。幡隨院長兵衛(ばんずいいんちょうべえ)が有名。2006.08.15 Tuesday by 物不勃陰虚酣楽
![]() だいたい毎月「新宿末廣亭」に1〜2度通っている。 そうたいした通人でもないが、安価な時間潰しと、自分の趣味の一つとして通っている。今日はお盆の休暇だったので、昼の部から行ってみたが、最近のブームも相俟ってか、1Fは座席も桟敷も満席だったので、2Fの座敷に上がった。そのうち混んできて、結局満杯になるのにそう時間もかからなかった。 だいたいは仕事でも使えるダジャレや小咄をメモってくるが、今日もいくつかは収穫があった。 ちょっと長いが、簡略化して載せようか。 「飛行機も離陸してしばらく経つと、ベルトを外して立ち歩きができるようになるが、子どもなどはジッとしていられるはずもない。彼らをなんと呼ぶか? 『ひこう(飛行・非行)少年』 そしてその親はどんな態度か? 『上の空』」といった具合だ。 マアその他にもたくさんあるが、くだらないと言われそうなので、やめる。くだらないから面白いのだが。 今日は昼の部の主任が三笑亭 可楽師匠だったが、その後「アロハマンダラーズ」(メンバーは昼の部の出演者ばかりである)なるハワイアンバンドが登場したので、こんなことも寄席ではあるよという紹介をblogでしておこうと思ったしだい。 2006.08.13 Sunday by 物不勃陰虚酣楽
僧侶と遊郭と聞くと、「品川宿」を連想してしまう。江戸時代の非公認の大規模な遊郭を持つ四宿(新宿・板橋・千住)の筆頭として、吉原の「北国(ほっこく)」に対し、「南」と呼ばれました。なぜ僧侶と品川というかというと、品川は芝・増上寺ほかの僧侶の「隠れ遊び」の本場だからです。しかし、女犯は表向き許されていませんから、医者に化けて登楼するのが通例だったようです。尤も、戦国時代の遺風として「男色」は盛んで、僧侶にも許されていたので、「陰間茶屋」とりわけ、「芳町」(日本橋堺町・葺屋町に隣接する地域)に多かったようです。 客、床より出て、小便に行く。 先に大坊主が、長々と小便して居る。 此方もはづみければ(すごく尿意を催したので)、 「ちと御めんなされ」 とおしならぶとき、顔を見れば、 旦那寺の和尚なり。 「これはこれは」といへば、 和尚「御奇特に(大変感心に)お出でなされた。」 ついいつもの調子で檀家衆が寺参りをしたときの言葉「御奇特」が遊郭でも出てしまった。でも言われた方はどう返事したものか… 2006.08.11 Friday by 物不勃陰虚酣楽
今の世では考えられないが…電車やバスの中ではあるか… でもここまではね… 枕草紙(春本)を見ながら、通り丁(大通り)を行きしに、 「アア急に一番」 ときざして(欲情してしまい)、猶よみよみ行く向かふから、 田舎の親父が江戸見物と見へて、娘を連れて来るを、 これ幸いのことと、無理に引こかして(ころがして)、草紙を広げて、 「エエ、この手でせうか、あの手でせうか(あの体位がいいか、この体位か)」 娘「アレ、とつ様とつ様(おとうさん)」と呼ぶ。 親父「マアだまつてゐろよ。書物を見ていなさるから悪いことはあるまい」 しかし、娘を引きずり込んで性交しようというヤツもヤツだが、書物を見ているから、きっと学のある人だろうと勘違いする親父も親父だ。でも「枕草紙」ってあっても、清少納言の「枕草子」と間違えないようにね。要は江戸時代に流行した、特に性交の場面を描いた浮世絵の一種ですから。 2006.02.09 Thursday by 物不勃陰虚酣楽
今では婚礼の時に媒酌人を頼む人は減りつつあるが、一昔前はお願いするのが当たり前だった。それが江戸時代では「商売」として成り立っていたから、商売となれば、口八丁手八丁というわけで。 貧をなげく者あり。 ある人、 「貴様ほ、貧乏を、ことのほか悲しがらっしゃるが、媒人をたのまっしゃい」 という。 「それは、どうしたことでござります。媒人が、貧乏をよくしますか(貧乏から救ってくれますか)」 「はてさて、媒人の口にかかれば、いけぬ(不美人も美女といわれ、貧乏人も内福(うわべは、それほどに見えないが、実際にはゆたかなこと)といわれます」 (『笑顔はじめ』) だいたい仲人の商売としての売り上げは花嫁の持参金の一割だったようだ。 意外にいい商売だよね。 2006.02.03 Friday by 物不勃陰虚酣楽
「子どもの使い」という言葉がある。要領を得ず役に立たない使いのことを意味するが、小咄に登場する大人にも同じような咄がある。戦国時代までの武士なら無筆もたくさんいただろうが… 「物もう(ごめんください)」 「ドレイ」 「北佐野三五右衛門、御見舞申します」 「今日は旦那、まかり出ましてござります」 「しからば御玄関帳へしるされ、おかへリの時分、よろしう仰せ上げられて下されませう」 「イヤわたくしは無筆でござります。そこもと様、御自筆に帳面へ御名をお書きなされて下さりませ」 「拙者も無筆でござります」 二人「ハテこまつたものだナア」 客「しからば、かういたしませう」 取次「どうなされます」 客「まいらぬぶんになされて下され(来なかったことにしてください)」 せっかく見舞に来たのに、取次帳に名前も書かないで帰る、まさに子どもの使い。 2006.02.02 Thursday by 物不勃陰虚酣楽
今も昔も酒を飲んでは酔いつぶれて街中や電車の中で寝込む人の姿を見るが、あまりいい格好ではないものだ。 綺麗な子なら介抱もしたくなるが… 夜ふけて通る棒鱈(酔っぱらい)が、ひよろ足の千鳥がけ(よろよろ歩き)、頭がさかるとこみあげて、 「ゲイ」といふと、道なかへ小間物見世(へど)を出しかける。 夜なればかまふ人もなく、すぐにのめつてたわいなさ(だらしない)ところへ、 犬が三四疋よつて、見世をば大方なめてしまい、 生酔の頭や顔をぺろぺろとなめれば、 「アアどなたかしらぬが、いかい御介抱(たいへんなご介抱で、ありがたい)」 今の世の中なら、そのまま放って置かれるか、財布やその他のものを盗まれるのがオチだろう。 2006.02.01 Wednesday by 物不勃陰虚酣楽
人間誰しも口が滑るって時ありますが、わたしなぞ滑りっぱなしの人生です。実は昨日までスキーに行っておりました… でも滑りが悪いと困ることも多いですよね… となりの小僧がせつかんに逢ふそふで、ギヤンギヤツトなくを聞いて、 「どふした、どふした」 といて見れば、 内義が、 「マア見ておくれなされ。大事のひな様のとつくりの口へ、しよせんもない(入るはずもないのに)指を入れて、それがぬけないから火鉢へぶつ付け、徳利を打ちこはしました」 「ヲヲ、そりやわるかつた。モウモウかんにんしてやりなさい。ソンなことはよくあるやつさ。おらも若いとき、おやぢの尿瓶へ何が、ヒヨイと入つて、ハア、チト用があった。また晩に来て咄しやしよ」 オチは、自分の昔話で、自分の男根を尿瓶に入れた話をうっかりしかけて、それと気づいてまずいとやめたところのおかしさですが…似たようなことは小さい頃経験があるかな? 長じては違う「物」で試したことはありますが、最近はとんとご無沙汰で、役立っておりません(笑 2006.01.28 Saturday by 物不勃陰虚酣楽
江戸の昔もバカ息子はいたもので、小咄や後期の江戸文学にはよく登場します。 「あまの邪鬼(へそ曲がり)のやうな子息めゆへ、ゆいごんはそむけて(普通のものでなく)いふがよい」 と子息を呼び寄せ、 「もはやいとま乞ひじや。死んでも必ず物入りすな(ムダなお金をかけるな)。菰につつみ川へ捨てよ」 といふて死ぬ。 子息おもふやう、 「さてさてこれ迄親の仰せに背いたが、一代一度のこと、こればかりは用ひずはなるまい」 やはりバカ息子は「バカ」だった。 2006.01.26 Thursday by 物不勃陰虚酣楽
江戸時代、「武士」と名は付いていても、上流の武士からその日の暮らしにも事欠くような武士までさまざまだったが… お侍、物買ひに来り、見世へ上つてゐる。 でつち、茶を出すとて刀をまだげければ、 「お刀をまたぐといふことがあるものか。ぞんざいな(不調法な)やつめ」 と亭主がさんざんにしかる。 侍、しかるを気のどくに思ひ、 「イヤイヤくるしうござらぬ。あそこは空鞘でおじやる」 貧乏侍故に刀の刀身が鞘いっぱいの長さではなく、ほとんど刀身がない。武士のプライドも地位もおちた。 |
RECOMMEND ITEM
東レ EMSフットネス器具 トレリート EM1 (JUGEMレビュー »)
実は物不勃陰虚酣楽の本人はダイエットをして、10kg減量に成功した。その助けとなった品物がこれだ。時間がかかるが、コツコツ頑張るとそれなりの効果があること請け合い。ちなみにジーンズのサイズが33inchから30inchになったのは嬉しかった。 RECOMMEND ITEM
落語ギャラリー60 (JUGEMレビュー »)
寄席がちょっとしたブームとなっているが、やはり少しは古典落語や江戸時代の世相、人情の知識がないと楽しみは半減する。この本はイラスト満載の「落語ガイド」で、入門者にも分かりやすいお薦めの一冊。 RECOMMEND ITEM
RECOMMEND ITEM
RECOMMEND ITEM
千字寄席?噺がわかる落語笑事典 (JUGEMレビュー »)
古木 優, 高田 裕史, 立川 志の輔 なかなか寄席に行けない人が、通勤の合間にちょっと楽しむにはいいかもしれません。臨場感のないのが残念ですが。 RECOMMEND ITEM
五代目柳家小さん 落語傑作選 其の一 (JUGEMレビュー »)
落語のDVDやVIDEOだと古典落語が多いので、あまり馴染みのない人は、やはり寄席などで新作を聴くのがいいかなと思います。木戸銭安いですし、結構入れ代わり立ち代わり噺家、漫才師などが登場しますから。 NEW ENTRIES
CATEGORYS
COMMENTS
TRACBACKS
ARCHIVES
CALENDAR
PROFILE
SEARCH BOX
SPONSORED LINKS
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||